昔々、その昔。 この世界の大地がまだ繋がっていた頃のこと。 隕石がこの惑星に引き寄せられて激突した。 その当時大地に生きていた大きな生き物は死に絶え、 小さな生き物たちが命の営みを繋いだ。 生き残った小さな生き物は進化を繰り返し、 やがてある突出した生き物が生まれた。 その生き物は自らを「人間」と名乗り、 生態系の頂点に君臨するものだと自己を位置づけた。 「人間」は「文明」を作り「科学」を進歩させた。 「科学」の力は強大で、自然すら変えられた。 「人間」は「科学」の力を際限なく振るい、 そして、星を怒らせた。 星は破壊された自然の痛みを「人間」へ返した。 星は破壊された生命の営みを「人間」へ見せた。 そして大地の多くが海へと沈んだ頃。 「人間」は漸く自分たちの犯した過ちに気がついた。 けれど後悔しても大地は戻ってこなかった。 自然はなおも脅威を見せつけた。 一部の海は何も住むことの出来ない死んだ海へと変わった。 やがて「人間」は自然と共に歩むため、 必要最低限の「科学」以外の破壊の力を捨てた。 一部の「人間」を抜かして。